おしゃぶりはいつまで?歯ならびへの影響と選び方|鴻巣市の小児歯科
おしゃぶりは悪者ではありません。ただ当院は、歯ならびだけでなく「食べる力」の観点から、1歳半までの卒業をおすすめしています。選ぶときの形にも、当院なりの考えがあります。やめたあとのお口については、少し安心していただける報告があります。
「おしゃぶり、そろそろやめさせたほうがいいのかな」——鴻巣市のはぎわら歯科こども歯科クリニックにも、こうしたご相談が届きます。
調べてみると、「歯ならびが悪くなる」と書いてあるページもあれば、「使って大丈夫」と書いてあるページもあります。やめる年齢も、1歳半だったり、2歳だったり、3歳だったり。どれを信じたらよいのか、迷ってしまいますよね。
先にお伝えしておくと、おしゃぶりそのものが悪いわけではありません。気にしたほうがよいのは「使ったかどうか」ではなく、「どれくらいの期間、使い続けたか」のほうです。そして、やめたあとのお口については、少し安心していただける報告があります。
このコラムでは、おしゃぶりの利点から、歯ならびへの出方、やめる時期の目安、選び方まで順に整理します。
まず、おしゃぶりは悪者ではありません
歯科のコラムというと、おしゃぶりを「やめさせるもの」として書き始めるものが多いかもしれません。けれど、おしゃぶりにはきちんと役割があります。
眠るときに使うことがすすめられています
米国小児科学会は、2022年に出した乳幼児突然死症候群(SIDS)についての方針のなかで、昼寝や就寝のときにおしゃぶりを使うことをすすめています。同学会のなかでも、強くすすめる項目として示されているものです。
ただし同学会自身が、なぜそうなるのかはよくわかっていないとも述べています。理由がはっきりしないまま、観察された結果にもとづいてすすめられている、という位置づけです。
使い方には条件も添えられています。眠ったあとに口から外れてしまっても、入れ直す必要はありません。いやがるお子さまの口に無理に押し込むこともしません。母乳で育てている場合は、授乳が軌道に乗ってから始めることとされています。
母乳育児への影響は、みられなかったと報告されています
「おしゃぶりを使うと、母乳を飲まなくなるのでは」というご心配もよく伺います。この点については、健康な正期産の赤ちゃん1,302人を対象にした2件のランダム化比較試験をまとめた解析(2016年報告)があり、生後4か月までの母乳育児の継続に、影響はみられなかったと報告されています。
保護者の負担をやわらげる、という利点もあります
2005年に日本の小児科と小児歯科の合同委員会がまとめた見解では、おしゃぶりの利点のひとつとして保護者の育児ストレスの軽減が挙げられています。泣きやまない夜に、少しだけ息をつける。これも立派な役割です。
米国小児歯科学会の方針も、保護者の判断を尊重するという姿勢から書き起こされています。当院も同じ立場です。「使わせてしまった」と後悔していただく必要は、まったくありません。
医療機関では、採血などの処置のときに痛みをやわらげる目的で、砂糖水と吸うことを組み合わせて使うことがあります。ただしこれは医療者が管理して行うものです。ご家庭でおしゃぶりに砂糖水や甘いものをつけることは、当院ではお勧めしていません。むし歯の原因になります。
ただ、長く使っていると歯ならびに出方があります
先に結論をお伝えします。気にしていただきたいのは「使ったかどうか」ではなく、「どれくらいの期間、使い続けたか」です。
おしゃぶりを長く使っていると、お口に出やすい変化があることが報告されています。17の研究をまとめたシステマティックレビュー(2018年報告)では、おしゃぶりの使用が開咬と臼歯部交叉咬合に関連していたとされています。
どちらも聞き慣れない言葉なので、先にご説明します。
- 開咬(かいこう)……奥歯をしっかり噛み合わせても、前歯どうしが上下で当たらず、すき間が開いたままになっている状態です。前歯でめん類を噛み切りにくい、といったことが起こります。
- 臼歯部交叉咬合(きゅうしぶこうさこうごう)……奥歯の噛み合わせが、本来とは内と外で逆になっている状態です。上あごの歯列の幅が狭くなることと関係します。
吸うという動きが長く続くことで、前歯のあいだにおしゃぶりの分のすき間が残り、ほおから受ける力で上あごの幅が狭まっていく——おおまかには、そういうイメージです。
見るべきは「1日に何回」より「どれくらいの期間」
米国小児歯科学会の2024年の文書では、1日に何回使ったかよりも、どれくらいの期間使い続けたかのほうが影響するとされています。
日本の調査でも同じ傾向が見られます。2歳6か月児の健診にあわせて行われた調査(2006年報告)では、おしゃぶりを使っていた期間が1〜18か月のお子さまでは、開咬が見られた割合は10%に届きませんでした。これに対して19か月以上使っていたお子さまでは、30〜47%と報告されています。
つまり、「使ったかどうか」で心配する必要はありません。見るところは、期間のほうです。
指しゃぶりとは、出やすいタイプがちがいます
おしゃぶりとよく一緒に語られるのが指しゃぶりですが、お口に出やすい変化のタイプはちがいます。
- 指しゃぶり……上の前歯が前に出ていく方向に出やすい
- おしゃぶり……開咬や臼歯部交叉咬合として出やすい
どちらがよい・悪いという話ではありません。ただ、同じ「吸うくせ」でも見るところがちがうので、分けて考える必要があります。指しゃぶりについては指しゃぶりは何歳まで?のコラムにまとめていますので、そちらをご覧ください。
なお、歯ならびはおしゃぶりだけで決まるものではありません。顎と歯の大きさ、生えかわりの経過、日々の習慣など、いくつもの要素が重なって形づくられます。全体像を知りたい方は歯並びが悪くなる原因のコラムをあわせてご覧ください。
やめた子は、使ったことのない子と、ほとんど同じでした
ここが、このコラムでいちばんお伝えしたいところです。
先ほどの日本の調査(石川朋穂ほか「おしゃぶりについての実態調査 第4報」小児歯科学雑誌 2006年)では、東京都内のある地区の2歳6か月児健診に来られた459名を、おしゃぶりの使用状況で3つに分けて、開咬の割合を比べています。
数字で書くと、次のようになります。
- 今も使っている(51名)……51.0%
- 以前使っていたが、もうやめた(128名)……4.7%
- 使ったことがない(280名)……7.9%
目を引くのは、真ん中の棒です。やめたお子さまの割合は、そもそも使ったことのないお子さまと、ほとんど変わりませんでした。この調査の著者も、2歳6か月までにやめていれば噛み合わせへの影響は少ない、と結論づけています。
おしゃぶりを使っているあいだのお口の形は、いわば「おしゃぶりが入っている前提の形」です。その前提がなくなれば、まだやわらかい時期のお口は、そこから変わっていける——この図は、そう読める報告です。
この調査は、東京都内の1地区で、2003年から2004年にかけて行われた健診にもとづくものです。ある一時点のお口を比べた横断調査でもあります。日本全体の数値ではありませんので、「おしゃぶりを使っている子の半分が開咬になる」とは読まないでください。それでも、同じ地区・同じ月齢のお子さまを、使用状況だけで分けて比べたという点で、とても参考になる報告です。
「やめれば戻っていく」という報告は、ほかにもあります
- 米国小児歯科学会(2024年)……3歳より前にやめれば、開咬は改善していくとされています
- 2005年の日本の合同委員会の見解……2歳ごろまでにやめれば、その後改善していくとされています
- 2021年に報告された比較試験(60名)でも、やめたあとの改善が報告されています
もちろん、すべてのお子さまが同じように戻るわけではありませんし、どれくらい戻るかには個人差があります。それでも、この時期のお口は、まだ形が決まりきっていません。「もう手遅れです」とお伝えするようなことはありませんので、どうぞご安心ください。
「いつまで」の答えが、資料によってちがう理由
当院は「1歳半までの卒業」を目標にしていただくようお伝えしています。ただ、世の中の資料を見ると、やめる時期の目安は2歳から3歳までばらついています。まずそれを並べたうえで、当院がなぜ早めに区切るのかをご説明します。
- 日本小児歯科学会のQ&A……「1歳半頃からやめる準備を始めて、2歳過ぎまでにはやめられるといいですね」と書かれています。ガイドラインというより、やわらかい助言として示されているものです。
- 2005年の日本の合同委員会の見解……「おそくとも2歳半までに」とされています。
- 米国小児歯科学会(2024年)……36か月(3歳)までに、とされています。
- 米国小児科学会……卒業の年齢そのものは示していません。
ばらついているのは、どれかが間違っているからではありません。それぞれが見ている目的がちがうからです。
たとえば米国小児歯科学会は、3歳という目安のほかに、途中の小さな目標も示しています。中耳炎のことを考えるなら12か月まで、犬歯が生えてきて奥歯の交叉咬合が気になりはじめる18か月まで、といった具合です。何を優先して見るかで、出てくる数字が変わります。
なお中耳炎については、当院は理由に挙げていません。関連がはっきりしていないためです。
当院は「1歳半までの卒業」をおすすめしています
当院は、1歳半ごろまでの卒業を目標にしていただくようお伝えしています。ここに挙げたどの資料よりも早い時期です。それでも早めに区切るのは、この時期が「食べる力」の育つ入口にあたるからです。歯ならびへの影響だけを見ていると、この視点が抜け落ちます。
※公的に決められた基準ではなく、当院の方針です。
1歳半ごろは、奥歯(第一乳臼歯)が生えてくる時期にあたります。それまで前歯でかじり取って、歯ぐきでつぶしていたお子さまが、はじめて奥歯ですりつぶして食べられるようになる、大きな節目です。
この時期のお子さまは、舌・くちびる・あごの動かし方を、食事のたびにまとめて覚えていきます。その大事な練習の最中に、お口の中をおしゃぶりが占めている——当院がいちばん避けたいのは、この状態です。歯ならびへの影響という切り口だけを見ていると、ここが見えません。かむこと・食べることの側から見れば、奥歯が生えてくるころが区切りです。
とはいえ、ある日とつぜん取り上げるのはおすすめしません。1歳ごろから、使う場面を少しずつ減らしていく。そうやって準備をしながら、1歳半ごろの卒業を目指してください。
もしその時期を過ぎていても、心配はいりません。先ほどの調査のとおり、2歳6か月までにやめられていれば、かみ合わせへの影響は少なかったと報告されています。まずは「いまから、やめる準備を始める」ところからで十分です。
選び方——根拠があるものと、まだ決着していないもの
選ぶときの優先順位は、①安全のつくり → ②使う期間 → ③形です。パッケージにはさまざまなことが書かれていますが、研究の裏づけがはっきりしているのは①だけです。③は決着していませんが、当院ははっきりした考えを持っています。順に整理します。
根拠がはっきりしていること(主に安全に関わることです)
- 一体成型のものを選ぶ……分解して部品が外れてしまう作りのものは避けてください。
- 口の外側の板(シールド)がしっかりしていること……通気孔があり、大きさはおおむね3.8cm以上あるものが目安とされています。まるごと口に入ってしまわないための大きさです。
- 傷んできたら交換する……素材が裂けてきた、色や形が変わってきた、といったときが替えどきです。何か月ごと、という決まった数字はありませんので、見て判断してください。
- はちみつをつけない……乳児ボツリヌス症につながるおそれがあり、実際に事例が報告されています。甘いものをつけて使わせないでください。
- 洗浄は煮沸と、製品の説明書のとおりに……メーカーによって耐熱の条件が異なりますので、まずは説明書に従ってください。
落とさないように、ひもで首にかけたり、寝間着にクリップで留めたりしたくなることがあります。これは避けてください。とくに眠っているあいだは、ひもが首に巻きつく危険があります。落としてもかまわない、という前提で使っていただくのが安全です。
なお日本では、おしゃぶりは食品衛生法の「指定おもちゃ」として、材質については規制があります。ただし形については規制がありません。パッケージに書かれている形状の説明は、公的な基準にもとづくものではない、ということになります。
まだ決着していないこと
ここは正直にお伝えします。
まず、「歯科用」「矯正型」といった形についてです。2018年に報告されたレビューは、この形を扱った研究が観察研究3件しかなく、十分な根拠がないとしています。一方で、この形のほうが開咬が少なかったとするまとめもあり、報告によって結果が割れています。さらに米国小児歯科学会が引用している前向きの研究では、形を変えても、やめた場合と比べて改善はみられなかったと報告されています。
ですから当院では、「この形なら歯ならびは心配ありません」というご案内はしていません。形だけで決まるものではありませんし、どれくらいの期間使うかのほうが、はっきりしているからです。
研究の上では決着していません。それでも当院は、形も選んでいただきたいとお伝えしています。
避けていただきたいのは、吸う部分が円柱状の、まっすぐな棒のような形です。お口の中で厚みを占めるため、舌が上あごに持ち上がる動きをじゃまします。当院は診療のなかで、この形を長く使っていたお子さまで、あごの形が気になる例を経験してきました。
選んでいただきたいのは、いわゆる「歯科用」とされる平たくて薄い形です。舌が上あごに触れる動きを妨げにくい作りになっています。同じ時間使うのなら、こちらのほうがお口の動きに合っています。
※形の効果を比べた研究はまだありません。以上は当院が診療のなかで得てきた考えです。「この形にしたから大丈夫」ではなく、まず期間を短くする。そのうえで形も選ぶ——この順番でお考えください。
材質についても同じです。シリコーンと天然ゴムを比べた研究はありません。ただ、天然ゴムには、まれではありますがラテックスアレルギーが起こりうることは、頭の片すみに置いておいてください。
月齢別のサイズ表示についても、それを裏づける研究は見あたりません。米国小児歯科学会は、サイズよりもお口へのフィット感のほうが大事かもしれない、としながらも、まだ研究の段階だとしています。
整理します。必ず押さえていただきたいのは「安全」に関わるところです。そのうえで形は、円柱状のものより平たく薄いものを。最後に、お子さまがいやがらずに使えるかどうかで決めてください。
やめ方のコツ——急がないこと、ほめること
やめ方で大事なのは、取り上げるのではなく、使う場面を1つずつ減らしていくこと。この一点です。
やめ方そのものを比べた研究はまだありません(2015年のコクランレビューは指しゃぶりが対象です)。ですので以下は、報告されていることと、当院が日ごろお伝えしていることです。
叱るより、できたことをほめる
米国小児歯科学会も、叱るのではなく、できたことをほめるやり方をすすめています。「まだ使ってるの」ではなく、「今日は使わずに眠れたね」。伝える向きを変えるだけで、お子さまの受け取り方は変わります。
場面を少しずつ減らしていく
いきなり全部なくすのではなく、使う場面を少しずつ減らしていくほうが現実的です。まず日中の遊んでいる時間から外し、次に外出のときを減らし、最後に眠るときを卒業する。この順番で進めてください。眠るときが最後まで残るのはふつうのことですので、焦らなくて大丈夫です。
急ぎすぎると、指しゃぶりに移ることがあります
見落とされがちなのですが、おしゃぶりを早くやめさせすぎると、かわりに指しゃぶりが始まったり、長引いたりすることがあると指摘されています。おしゃぶりは片づけられますが、指は片づけられません。
ですから「とにかく早くやめさせる」が、いつもよい結果になるとはかぎりません。お子さまが吸うことで気持ちを落ち着けているのなら、そのかわりになるもの(抱っこ、絵本、お気に入りのタオルなど)を用意してから、ゆっくり進めてください。そのほうが結局は近道になります。指しゃぶりのほうに移った場合の関わり方は、指しゃぶりのコラムにまとめています。
4歳を過ぎても続くときは
2005年の日本の合同委員会の見解では、4歳を過ぎてもおしゃぶりを使っている場合は、小児科医に相談することがすすめられています。やめられない背景に、お子さまなりの理由があることもあるためです。歯科だけで抱え込まず、必要に応じて小児科と連携しながら見ていきます。
まとめと、相談のご案内
- おしゃぶりは悪者ではありません。眠るときの使用がすすめられ、母乳育児への影響はみられなかったと報告され、保護者の負担をやわらげる利点も挙げられています
- 一方で、長く使っていると、開咬や臼歯部交叉咬合として出やすいことが報告されています。指しゃぶりとは出やすいタイプがちがいます
- 影響するのは「1日に何回」より「どれくらいの期間」です。日本の調査では、使用期間が19か月以上のお子さまで開咬の割合が高くなっていました
- 2歳6か月の健診で比べた調査では、やめたお子さま(4.7%)は、使ったことのないお子さま(7.9%)とほとんど変わりませんでした。やめれば、そこから変わっていけるということです
- 当院は「1歳半までの卒業」をおすすめします。奥歯が生えて、食べる力が育ちはじめる時期だからです(資料の目安は2〜3歳とばらつきますが、当院はここを区切りにしています)
- 選ぶときは、一体成型・シールドの大きさと通気孔・ひもをかけないこと・はちみつをつけないこと。形は、円柱状のものを避けて、平たく薄いものを選んでください(研究では決着していませんが、当院の考えです)
- やめ方は、叱るよりほめる。急ぎすぎると指しゃぶりに移ることがあります。4歳を過ぎて続く場合は小児科にもご相談を
こんなときは、一度見せていただけると安心です。
- 1歳半を過ぎても、おしゃぶりが手放せない
- 奥歯を噛み合わせたときに、前歯にすき間が開いている気がする
- やめさせようとしたら、かわりに指しゃぶりが始まった
- 4歳を過ぎても続いている
- やめたあとのお口が、どうなっているか確認しておきたい
お口の気になるところは、お口のセルフチェックでもご確認いただけます。
はぎわら歯科こども歯科クリニックでは、日本小児歯科学会認定医である院長が、お子さまの成長段階を見ながら診療しています。おしゃぶりをやめる時期についても、お口の状態と、ご家庭の事情の両方をうかがったうえでご相談します。診療の内容は小児歯科のページをご覧ください。
おしゃぶりは、使った・使わないで良し悪しが決まるものではありません。当院がお伝えしたいのは3つです。1歳半までの卒業を目指すこと。円柱状ではなく平たい形を選ぶこと。そして、やめたあとのお口を一度確認すること。この3つができていれば十分だと、当院は考えています。判断に迷ったときは、どうぞ鴻巣市の当院にご相談ください。一緒に決めていきましょう。
よくあるご質問
おしゃぶりは、いつまでにやめればよいですか?
資料によって目安がちがいます。日本小児歯科学会のQ&Aでは「1歳半頃からやめる準備を始めて、2歳過ぎまでにはやめられるといいですね」とされ、2005年の日本の小児科と小児歯科の合同委員会の見解では「おそくとも2歳半までに」、米国小児歯科学会(2024年)では36か月(3歳)までに、とされています。米国小児科学会は卒業の年齢を示していません。それぞれが見ている目的がちがうため、数字にも幅が出ます。
当院では、1歳半ごろまでの卒業を目標にしていただくようお伝えしています。1歳半ごろは奥歯(第一乳臼歯)が生えて、奥歯ですりつぶして食べる練習が始まる時期にあたるためです。歯ならびだけでなく、食べる力を育てるという観点から、当院はここを一つの区切りと考えています。これは公的な基準ではなく当院の考えですので、お子さまの様子やご家庭の事情によって前後してかまいません。1歳ごろから使う場面を少しずつ減らして準備していただくと、無理なく進めやすくなります。
長く使っていました。前歯のすき間は、もう戻らないのでしょうか?
もう手遅れ、ということはありません。東京都内の1地区で2歳6か月児459名を対象に行われた調査(2006年報告)では、開咬が見られた割合は、今も使っているお子さまで51.0%、以前使っていてもうやめたお子さまで4.7%、使ったことがないお子さまで7.9%と報告されています。やめたお子さまは、使ったことのないお子さまとほとんど変わりませんでした。
米国小児歯科学会も3歳より前にやめれば開咬は改善していくとしており、2005年の合同委員会の見解でも2歳ごろまでにやめれば改善していくとされています。ただし、どれくらい変わるかには個人差がありますし、この調査は1地区の横断調査で、日本全体の数値ではありません。実際の状態は拝見してご説明しますので、気になる場合は受診の際にお声がけください。
「歯科用」「矯正型」と書かれたおしゃぶりを選べば安心ですか?
「この形なら歯ならびは心配ありません」とは申し上げられません。2018年に報告されたレビューは、この形を扱った研究が観察研究3件しかなく、十分な根拠がないとしています。開咬が少なかったとするまとめもあり、報告によって結果が割れているのが現状です。米国小児歯科学会が引用している前向きの研究では、形を変えても、やめた場合と比べて改善はみられなかったと報告されています。
研究のうえではっきりしているのは、形よりどれくらいの期間使ったかのほうです。ですので、選ぶときはまず、一体成型であること、口の外側の板(シールド)がしっかりしていて通気孔があり、おおむね3.8cm以上の大きさがあること、といった安全に関わる点を優先してください。
そのうえで当院は、形も選んでいただきたいと考えています。吸う部分が円柱状の、まっすぐな棒のような形のものは、舌が上あごに持ち上がる動きのじゃまになりやすく、あごの形への影響が気になる例を診療のなかで経験しているためです。平たくて薄い形のほうが、お口の動きには合っていると考えています。これは研究で確かめられたことではなく、当院の考えです。
やめさせようとしたら、指しゃぶりが始まってしまいました。どうすればよいですか?
おしゃぶりを早くやめさせすぎると、かわりに指しゃぶりが始まったり、長引いたりすることがあると指摘されています。おしゃぶりは片づけられますが、指は片づけられませんので、急ぎすぎないことが大切です。米国小児歯科学会も、叱るのではなく、できたことをほめるやり方をすすめています。
指しゃぶりは、おしゃぶりとはお口に出やすい変化のタイプがちがいます。関わり方は指しゃぶりは何歳まで?のコラムにまとめていますので、あわせてご覧ください。なお2005年の日本の合同委員会の見解では、4歳を過ぎても続く場合は小児科医に相談することがすすめられています。歯科だけで抱えず、必要に応じて連携しながら見ていきます。
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の治療の効果や結果を保証するものではありません。症状やお口の状態には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず歯科医院にご相談ください。
お子さまのお口のこと、気軽にご相談ください
鴻巣市のはぎわら歯科こども歯科クリニックでは、小児歯科・予防矯正・口腔育成を通じて、お子さまの健やかな成長をサポートしています。まずはお口の状態をチェックしてみませんか。


